遷移元のボタンに応じて、お問い合わせフォームのラジオボタンの初期値を動的にする方法をご紹介しています。
各サービスごとにお問い合わせフォームを分けていない場合などに有効で、実装することでちょっとだけユーザーフレンドリーなサイトになります。
リンク元に応じてラジオボタンの初期値を変更した例
今回のやりたいことはこちらです。
ラジオボタンAをクリックすると、お問い合わせフォームの「ラジオボタンA」が選択された状態となります。またラジオボタンBとCも同様です。
一方で「お問い合わせ」のボタンをクリックした場合には、ラジオボタンはどれも選択されていない状態となります。
仕様は以下の通りです。
- リンクをクリックでお問い合わせページへ遷移する。
- ラジオボタンXのボタンをクリックすることで、お問い合わせページのラジオボタンXが選択された状態となる。
- 「お問い合わせ」ボタンからの遷移では、何も選択されていない状態とする。
- お問い合わせページ遷移後にラジオボタンの変更が可能。
今回の実装にあたり用意したファイルは以下の通りです。
- index.html
- contact.html
- script.js
基本的にはJavaScriptでの実装となります。
コードの見本
デモサイトのコードがこちらです。style.cssのコードは省略しております。
index.html
<div class="container">
<a href="./contact.html" class="js-btn-link">お問い合わせ</a>
<a href="./contact.html" class="js-btn-link" data-radio-value="A">ラジオボタンA</a>
<a href="./contact.html" class="js-btn-link" data-radio-value="B">ラジオボタンB</a>
<a href="./contact.html" class="js-btn-link" data-radio-value="C">ラジオボタンC</a>
</div>
script.js
const btnLinks = document.querySelectorAll('.js-btn-link')
btnLinks.forEach((btnLink) => {
btnLink.addEventListener('click', () => {
const radioValue = btnLink.getAttribute('data-radio-value');
sessionStorage.setItem('selectedRadio', radioValue);
});
})
contact.html
<form action="#" method="post">
<p>ラジオボタン<br>
<input type="radio" name="radio" value="A" id="radioA">A
<input type="radio" name="radio" value="B" id="radioB">B
<input type="radio" name="radio" value="C" id="radioC">C
</p>
</form>
<script>
document.addEventListener('DOMContentLoaded', function () {
const selectedRadioValue = sessionStorage.getItem('selectedRadio');
if (selectedRadioValue) {
const radioElement = document.getElementById('radio' + selectedRadioValue);
if (radioElement) {
radioElement.checked = true;
}
}
});
</script>
contact.htmlではお問い合わせページ遷移後に実行したいJavaScriptのコードを<script>タグの中に記述しています。
コードの解説
簡単に各ファイルのコードを解説します。
index.html
<a href="./contact.html" class="js-btn-link">お問い合わせ</a>
<a href="./contact.html" class="js-btn-link" data-radio-value="A">ラジオボタンA</a>
<a href="./contact.html" class="js-btn-link" data-radio-value="B">ラジオボタンB</a>
<a href="./contact.html" class="js-btn-link" data-radio-value="C">ラジオボタンC</a>
containerクラスの中に、aタグのボタンが4つ配置されたシンプルな構造です(本来はbuttonタグを使うところかもしれませんが、今回はaタグにしています)。
各aタグにはクラス名js-btn-link
をつけています。また、動的に初期値を変更したいリンクにはdata属性でそれぞれを識別するためのアルファベットをふっています。
script.js
const btnLinks = document.querySelectorAll('.js-btn-link')
btnLinks.forEach((btnLink) => {
btnLink.addEventListener('click', () => {
//処理内容
});
})
js-btn-link
の要素を取得してループを回し、各ボタンがクリックされた際の処理を以下の通り記述しています。
const radioValue = btnLink.getAttribute('data-radio-value');
sessionStorage.setItem('selectedRadio', radioValue);
index.htmlで設定したdata属性を取得して変数に格納し、sessionStorage
でブラウザにデータ(クリックされたボタンのdata属性)を保存しています。
contact.html
<input type="radio" name="radio" value="A" id="radioA">A
<input type="radio" name="radio" value="B" id="radioB">B
<input type="radio" name="radio" value="C" id="radioC">C
formタグの中に<input type="radio">
の選択肢が3つあるシンプルな構成です。inputタグには、各要素を識別するためのidを設定しています。
document.addEventListener('DOMContentLoaded', function () {
// sessionStorageに保存された情報を取り出して変数に格納
const selectedRadioValue = sessionStorage.getItem('selectedRadio');
if (selectedRadioValue) {
// sessionStorageに保存された情報に応じてinputタグを取得
const radioElement = document.getElementById('radio' + selectedRadioValue);
if (radioElement) {
// 取得したinputタグにchecked属性を与える
radioElement.checked = true;
}
}
});
contact.htmlのJavaScriptの処理内容は以下の通りです。
sessionStorage
に保存された情報を取り出し変数に格納- 上記の変数を利用して該当するinputタグを取得(idを利用)
- 取得したinputタグに
checked
属性を付与する
おわりに
今回はクリックしたボタンに応じて、お問い合わせフォームのラジオボタンの初期値を動的にする方法をご紹介しました。
ほとんど同じ方法で、セレクトボックスのoptionの初期値を動的に変化させることも可能です。
また応用にはなりますが、ラジオボタン+セレクトボックスの両方の初期値をリンク元に応じて動的にコントロールすることも可能です。ぜひお試しください!